不要な歯を抜いた場所に移植して使えると聞きましたが?
いろいろな条件が揃わなければ長期的成功には結びつきませんが、まず噛み合わせに重要な位置にある歯は使えませんので、通例不要な智歯(親知らず)や、歯並びから横にはみ出しているけれど健康な歯等を利用できれば可能です。
欠損部位の顎の骨の状態では、歯の根元が納まるだけの充分な骨量があることが望ましいでしょう。 その意味で若・壮年者は治療の適用対象として好条件が多いようです。
一般に、中年期以降の患者さんで全体的に歯周病が進行し抜歯が必要になった部位では骨量も少なく、利用したい移植歯自体に骨を誘導する歯根膜といわれる組織の絶対量が足りない場合が多く適用不能なこともあります。 また一般に外科的処置がお口のなかに2個所に及ぶ場合も多く、歯科処置に恐怖感の強い方には、インプラント治療同様回避されるものかもしれません。
臨床例 )横を向いた智歯を保存不能の第一大臼歯部に移植して20年経過中


参考)自家歯牙移植の症例集
